MMA-HEMA共重合体のキャラクタリゼーション
組成の分子量依存性
はじめに
ビニルモノマー M
1, M
2の共重合において反応性比
r1 =
r2 = 1 の理想共重合では組成分布は生まれませんが、
実際の重合系では反応性比が異なる場合が多く、反応性比の高いモノマーが先に重合し、初期重合体でない限り組成分布が生じます。
実験
測定にはポリマーの組成が同程度になるように仕込みモノマー組成を調整した
収率 2.2 %の初期重合体 (
Mn = 4.14 × 10
4,
Mw/
Mn= 2.91) と,
収率 90.4 %の高重合率重合体 (
Mn = 2.53 × 10
4,
Mw/
Mn= 2.58) を用いました。
測定は DMSO-
d6 で、80 ℃で測定しました。
初期重合体のHEMA由来のシグナルとMMA由来のシグナルは同程度の拡散係数分布を示しています。
しかし、重合終期重合体のMMA由来のシグナルはHEMA由来のシグナルより拡散係数が大きくなっています。
これは、初期重合体では組成分布が少なく、また、重合終期重合体では高分子量側にHEMAが多く、
低分子量側にMMAが多く含まれると考えることができます。
これらのことから、共重合体のキャラクタリゼーションにDOSYが有効であると言えます。